家族にばれずに債務整理をすることは可能か?

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家族にばれる可能性はあるの?

夫や妻などのパートナーや同居している親などの家族に秘密で借金をしている人は意外と多いものです。返済が厳しくなってきたので、返しきれなくなってばれてしまう前に債務整理をしたい、と考える人も増えています。しかし、家族に秘密にしたまま、借金についてばれずに債務整理をすることは可能なのか、考えていきましょう。

 

そもそも、債務整理をする場合、どういう時に「家族にばれる」可能性があるのでしょうか。
・自己破産/個人再生
・任意整理
という手続別に見ていきましょう。

 

債務整理の中で「家族ばれ」しそうになる場合

1.書類の収集(自己破産/個人再生)

 

自己破産も個人再生も、「裁判所へ提出する書類の準備」が最初の難関です。自己破産や個人再生に必要な書類には色々あるのですが、

 

  • 自分および配偶者の給与明細(直近2〜3ヶ月分)
  • 自分および配偶者の通帳
  • 2〜3ヶ月分の「家計の状況」(家計簿のようなもの)

 

などを必要とする場合が多くあります。
あなたはこれらを、配偶者に秘密ですべて手に入れ、提出することができますか?

 

まず給与明細。最近では紙ではなくメールなどの電子データで給与明細を交付する会社も多くありますよね。「ちょっと知りたいからあなたの給与明細を3ヶ月分プリントアウトしてくれる?」などと尋ねたことで、「え、今までそんなこと言ったことなかったのに…一体何しようとしてるの?」と不信感を持たれてしまう可能性は十分にあります。

 

「家計の状況」は月ごとの家計の収支を記入して裁判所へ出すものですが、これが書けないという人は意外と多いもの。特に「パートナーに聞かないと収支の詳細がわからない」という場合は注意が必要です。

 

2.持ち家の処分(自己破産)

あなたが住んでいるのは賃貸物件ですか?それとも持ち家ですか?持ち家の場合、自己破産をするときは基本的にその不動産は手放すことになる、と考えておいた方がいいでしょう。不動産を担保に入れて借入をしているのならもちろん、そうではない場合でも、売却することになることがほとんどですので、引っ越しは必須です。

 

家族に秘密で引っ越し…できませんよね。

 

なお、個人再生の場合は「住宅特別条項付き個人再生」を選択することで持ち家を手放さずに手続をすることが可能な場合もあります。そのためにはいくつかの条件がありますので、弁護士などに相談してみてくださいね。

 

3.保険の解約(自己破産)

特にお子さんがいるような場合、掛け捨てではない生命保険に入っている人は多いものです。解約返戻金の金額が一定以上だった場合(裁判所によって基準は違います)、自己破産をするにあたって解約をする必要が出てくる可能性があります。
パートナーに秘密で生命保険の解約、できますか?
解約自体はできたとしても、その理由を家族に聞かれた場合、きちんと答えられますか?

 

ちなみに個人再生の場合は基本的に解約の必要はありませんが、返戻金が非常に高額だった場合などは、その分返済金額が上乗せされることがあります。

 

4.「管財」になった場合の郵便物の転送(自己破産)

自己破産には「同時廃止」と「管財」の2種類があり、財産や借入の状況などによってかわります。「管財」の手続となった場合、「破産開始決定」が出てからしばらくの間、破産者宛の郵便物は全て「破産管財人」という財産調査などを行う弁護士(破産申立を依頼した弁護士とは別)のところへ転送されることになります。
転送された郵便物は管財人のチェックを受けたあとに手元へ戻ってきますが、「来るはずの郵便物が届かない」ということで不審に思う家族もいるでしょうから、注意が必要です。
なお、転送の期間はその人の状況によって異なります。

 

5.保証人がついている場合(債務整理全般)

借入をするとき、誰かに保証人になってもらった記憶はありませんか?あなたが何らかの方法で債務整理を行うのであれば、それによって生じた返済不能分を保証人が支払う必要がありますから、保証人は必ずあなたの債務整理について知ることになります。

 

家族が保証人になっているのは論外ですが、家族と共通の知人などが保証人になっている場合、その知人から「あいつ債務整理したんだろ?」などと言われる可能性があることは覚えておきましょう。また、共通ではない知人であっても、「おまえのせいでこっちが損をした」などと自宅に連絡をしてこないとは限りません。保証人がいる場合は特に注意が必要です。

 

6.弁護士・司法書士からの電話・郵便物

これについて心配する人はとても多いものですが、依頼者から「家族に秘密にしているので、自宅に電話はしないで欲しいし、郵便物も送らないで欲しい」と言われた場合、弁護士や司法書士は必ずその指示に従います。守秘義務があるため、たとえ家族からの問い合わせであっても答えることはありません(事前に本人から連絡があった場合はその限りではないこともあります)。そのため「弁護士からばれる」という可能性は非常に低いと言えるでしょう。

 

ただし、そのような希望がある場合、依頼者と連絡がつかなくなってしまうと、家族への伝言などができないため、弁護士としてはとても困ってしまうもの。「家族に秘密にしたい」という希望がある場合は、意識して弁護士との連絡を密にしておくといいでしょう。

 

家族に秘密でもできる債務整理とは?

1.任意整理

1社〜数社の任意整理であれば、裁判所への提出書類の準備も必要ありませんし、持っている財産(持ち家・保険など)を処分する必要はありません(担保に入っている場合を除く)。
上記の保証人の問題さえクリアしていれば、自己破産や個人再生よりも「家族にばれにくい」手続であると言えるでしょう。

 

2.自己破産

  • 自分だけで資料を集めることに問題がない
  • 自分名義の財産はほとんどない
  • 保証人がついていない
  • 郵便物が転送されてもダメージがない

 

などの場合は、自己破産でも家族にばれにくいでしょう。

 

やや極端なたとえですが、「夫の給与や自分の給与、通帳類はすべて自分が管理している。自宅などは夫名義で自分名義の財産はほとんどなく、自分宛の郵便物が転送になっても昼間こっそり取りに行くから夫にはばれない」
などという奥様の場合などは、自己破産をしてもばれにくいかもしれません。

 

でも待って…本当にそれでいいの?

ここまで読んで、「家族に秘密でも債務整理できるんだ!じゃあ秘密にしたままで債務整理したい!」と思った方も多いでしょう。
でも、ちょっと待ってください。あなたはそもそも、どうして家族に秘密で借金をしてしまったのでしょうか?

 

  • お小遣いが足りなかった
  • どうしても欲しいブランドもののバッグがあった
  • パートナーからもらう生活費が足りなかった

 

などの理由で借金をしてしまったのであれば、今回家族に秘密で借金を整理したところで、また同じことを繰り返す可能性が残ってしまいます。
債務整理をしてお金の心配を減らして生活していくことはとても大切ですが、「お金のことを含めた生活全般」を見直さなければ、本当の意味であなたの生活は変わりません。

 

生活全般を見直すためには、家族の協力は必要不可欠です。

 

あなたは借金のことを家族に秘密にしたまま、今後の生活を見直せそうでしょうか?

 

家族との関係も含めて、一度専門家に相談してみよう

「家族に秘密にしたい、でも…」という迷いがあるのなら、その迷いも含めて一度専門家に相談してみましょう。

 

「正直に家族に話した方が今後の生活が上手くいきますよ」
「これだけなら、まずは家族に秘密で任意整理をしてみましょう。それで上手くいかなかったらまた相談してくださいね」

 

など、状況に応じたアドバイスが受けられるはずです。