競売手続きから落札までのスケジュールはどうなっているの?

MENU

何らかの事情があり借金が返済できなくなった場合、家が競売にかけられることがあります。競売にかけられるまでにも必要な手続きがあり段階を踏みます。競売手続から落札までのスケジュールや、どういう仕組みになっているのかを紹介します。

 

任意売却が間に合うのはいつまで?

何らかの事情があり借金が返済できなくなった場合、債権者は債権を回収するために様々な手段をとります。その中の一つが任意売却です。債権者が債権を回収するために、家を売却し現金化するという目的があります。

 

しかし任意売却には、決められた期間があり、その期間内に売却できないと、次は競売にかけられることになります。競売にかけられると、家が売れたとしても、二束三文にしかならず結局家を失うだけでなく、借金を全額返金できないため、借金は残ります。

 

可能であれば、競売ではなく任意売却の方が少しでも高く売れるので、任意売却をしたいと考えるのが一般的です。しかし任意売却には期間があり、それをすぎると競売が開始されてしまうのです。

 

任意売却が間に合うのはいつまでなのでしょうか?

 

任意売却は競売手続が開始されてからでも可能です。競売が開始されてもすぐに落札者が決まるわけではなく、その間の猶予は大体4ヶ月〜6ヶ月あります。

 

競売開始の通知が届くと驚きや戸惑い、不安が強くなるため途方にくれてしまいがちですが、それからすぐ任意売却の手続きをすればまだ可能性は残されています。

 

任意売却の手続きをしても、すぐに家が売れるとは限りませんので、ここから先は時間との勝負になります。その間も競売手続は進んでいますから、期間入札通知が届きます。

 

期間入札通知が届くのは、大体入札期日の2ヶ月前くらいですからこの時期ならまだ間に合います。

 

ただしこれを過ぎると、任意売却はかなり厳しくなってしまいます。

 

入札期日が来たという場合、法律では入札期日の前日までは競売を取り下げることができるとされています。

 

しかし実際には債権者がそれに応じないことが多いためここまで来てしまうとほぼ絶望的です。

 

競売の開始決定から「現況調査」がはじまる

競売が開始されてもすぐに落札されることはありません。競売が開始されてから1ヶ月〜3ヶ月以内に現地調査を行います。

 

現地調査というのは、競売対象の価値を鑑定していくらで売るかを見極めるステップです。

現地調査は、裁判所から派遣された執行人と評価人が不動産を見て行います。

 

現地調査では、建物がある場合は中に入り写真撮影などを行います。民事執行法の元に行いますので、競売対象となる家に人が住んでいる場合でも拒否することはできません。

 

仮に鍵をかけ執行人や評価人が中に入れないよう抵抗しても、執行人と評価人には、建物の中に入る権利と、鍵を開ける権利があるので、残念ながらどんなに拒否しても無駄な抵抗となってしまいます。鍵を持っていない場合は、鍵屋を呼んでその場で強制的に鍵をこじ開けられます。

 

それでも尚抵抗した場合、最悪警察が介入することになるのでイメージは悪くなってしまいます。いかなる理由があっても、現地調査は拒否できないのです。

 

現地調査では、債務者に対して質問なども行います。これも拒否できないことですから、いかなる理由があっても、質問に答えなければいけません。

 

競売にかけるにしても、現地調査を行い評価書と現地調査報告書を作成し、裁判所が最終的な入札価格を決めますので、現地調査はとても重要なステップとなります。

 

裁判所は、現地調査に基づき売却基準額を決めますが、入札価格は売却基準額より少し下げた金額となります。

 

裁判所からくる期間入札通知の書面

競売が開始されると、最初に競売開始決定通知が届きます。次に裁判所から期間入札通知が送られてきます。裁判所からくる期間入札通知の書面について説明します。

 

裁判所から送られてくる期間入札通知書は、債務者が所有している不動産が競売にかけられたことを、通知する内容が書かれています。不動産に関しては別紙で目録が同封されてきます。

 

それに対し債務者に対する「担保不動産競売事件」として扱うと記されています。

 

詳細については、入札期間、開札期日、開札期日を開く裁判所、売却決定期日、売却基準価格が書かれています。売却基準価格のところには、買受可能価格も記載されています。

 

裁判所から書類が届くことや、担保不動産競売事件と書かれていることで、期間入札通知が届いた瞬間途方にくれてしまう人は少なくありません。しかし期間入札通知が届いてから、実際に競売が始まるまでは、まだ2ヶ月ほど猶予があります。

 

その間何もしなければ競売にかけられ、落札者が決まれば強制的に立ち退かないといけません。仮に競売で家が売れたとしても、かなり安い価格となってしまうため、借金を全額返済するまでには到底及びません。

 

競売で買い叩かれ、住む場所を奪われるだけでなく、さらに借金の残額は支払い義務があるのでその後も借金の返済を続けなければいけないのです。

 

競売手続が開始されても、実際に一般公開されるのは、入札期日の2週間前です。入札が開始された場合、期間入札は1週間の猶予がありますが、期日入札は1日で完了しますので猶予はほとんどありません。

 

競売が開始されると打つ手がないイメージですが、実際には開札日前日までは競売取り下げが可能です。しかし、債権者のほとんどはここまでこじれてしまうと、競売を取り下げて欲しいと頼んでもそれを受け入れてくれません。

 

理論上は可能とされていますが、現実は競売が進み家を手放すことになるケースがほとんどです。

 

2つのプロセスを経てから所有権が移転

競売手続が開始され、落札までのスケジュールには少し猶予があります。しかし落札されるとどうあがいても、不動産を手放さないといけなくなってしまいます。競売開始から落札者に所有権が移転するまでの経緯を紹介します。

 

不動産が競売にかけられ、所定の手続を踏み開札が開始されると、一番高い金額を提示した人が落札者となります。

 

正式には「最高価格買受申出人」となります。

 

しかし落札者が決まっても、即不動産の所有権が移るわけではありません。

 

所有権移転確定までには、2つのプロセスが必要となります。

 

  • その一つ目は裁判所の許可決定、
  • もう一つが買受人が納付期限までに裁判所に代金を支払うこと

 

です。

 

競売では一般的な不動産売買に比べて、かなり安く売りに出されます。

しかし安いといっても不動産ですから、それなりの金額になります。入札をするにあたり売却基準価格の2割ほどを保証金として先に納付します。

 

落札者となった場合は、先に保証金としていくらか支払っているので、その残りの分を支払えばOKです。裁判所の許可決定と、買受人が差額を支払って初めて、所有権が買受人に移転するのです。

 

開札から1週間ほどで、売却許可決定が出ます。

 

ただしいくつか売却許可決定が出ない場合があります。対象が農地の場合は、事前に農業委員会の許可が必要です。

 

債務者自らが落札することはできません。民事執行法71条の売却不許可に該当する場合は、売却許可が出ないことがあります。ただしこういったケースは稀です。

 

落札者が決まると買受人に代金納付期限通知が送られます。期限は通知日から1ヶ月となっていますので、期限内に納付します。

 

買受人が期限までに差額を納付できない場合は、次順位買受人が買受人となります。

 

買受人が納付したすべての金額は、債権者に配当されます。債権者には、配当期日呼出上状が届きますので、裁判所に行き配当を受け取ります。