奨学金で自己破産する前に!救済制度(減額)って知ってる?

MENU

.奨学金で自己破産する前に!救済制度(減額)って知ってる?

日本学生支援機構の調べによりますと、奨学金制度を利用して大学・短大に通っている人は2.6人に1人という割合だそうです。10年前は3.9人に1人の割合だったことを踏まえると、10年間で利用者数が増えたことが分かります。

 

しかし、最近奨学金の返還が困難となり、自己破産に至る人が増えてきており、社会問題となっております。なぜこのような事態となっているのでしょうか。

 

奨学金で苦しむ人が増えてきている!

奨学金を利用して大学に通い、その後の就職や給与の関係によって返済が困難となり、自己破産に陥るというケースが最近増加してきました。

 

ここ数年、奨学金滞納者に対して返還訴訟を行う団体が急増しており、取り立てが強化されたことによって自己破産に陥る債務者が増加しています。

 

現在、奨学金の未返済額は年々増加しており、平成27年度における三ヶ月以上の延滞債権は第一種、第二種を合わせて2396億円という膨大な額となっております。

 

これは上記で説明した通り、奨学金利用者が卒業後に就職や給与の関係によって返済ができない人が増加していることと密接に関係しています。

 

また平成27年度の日本学生支援機構が行った奨学金滞納者に対しての返還訴訟の件数は5432件にも上っております。11年前の2004年当時の還訴訟件数は58件でした。

 

訴訟件数が増えた背景として、ここ10年間で奨学金返還率が悪化したことがあります。

 

現在、日本学生支援機構は取り立てを強化しており、奨学金滞納者に対して訴訟や強制執行を行うスタンスを明確にしております。

流れとしては裁判所に支払督促申立を行い、債権を法的に確定させます。

 

その後も返済がされない場合は仮執行宣言支払督促申立という強制執行を可能にする為の申立てを行い、これに異議がない場合は強制執行を行います。

 

奨学金返済の延滞には「遅延利息」があります。遅延利息とは利息制限法に基づき、借金に延滞があった際に利息を追加するというものです。

 

日本学生支援機構では平成10年(1998年)3月以降に貸与が終了した方の場合は第一種で5%、第二種で10%の遅延利息が設けられています。奨学金は元本金額が非常に大きいために、第二種の場合の10%の利息では毎年の返済額は相当なものとなります。

 

日本学生支援機構は、昨今の現状を踏まえて平成26年4月以降に生じる遅延した奨学金の賦課率を年10%から5%に引き下げを行いました。これにより、返済に多少の余裕が出来る方も増えるでしょう。

 

しかし、これらの制度を利用しても返済が困難となる方も多数いらっしゃるのが現状ではないでしょうか。

 

奨学金が原因で自己破産することも

奨学金の返済を長期間滞納してしまい、訴訟や強制執行の段階に至ってしまった場合、自己破産や個人再生手続きを検討せざるを得なくなります。

 

しかし訴訟や強制執行の前であれば、日本学生支援機構から

  • 減額返還制度
  • 返還期間猶予制度
  • 所得連動返還型無利子奨学金制度

の3つの救済策が用意されています。ここではこの3つの制度について紹介します。

 

減額返還制度とは毎月の返済額を半分まで減額して返済することができる制度です。

収入が一定以下であるなどの条件がありますが、平成26年度4月から一律控除や扶養控除の条件が緩和されたことによって、多くの方が利用できるようになっています。

 

だたしこの制度は毎月の返済額が減額されるだけであり、返済期間が長くなります。

 

返還期間猶予制度とは、失業中や傷病中、災害等規定の条件を満たす場合に最長1年間の返還期間の猶予を受けることが可能です。

また事情の継続が認められれば1年に1度の更新が可能で、平成26年4月から最大10年間の猶予を受けることが可能となりました。

 

ただしこの期間猶予は借金の総額や利息が減る訳ではなく、あくまで先延ばしになるだけです。毎月の返済の負担を減らしたい場合は、先ほど紹介した減額返還制度を利用することをおすすめします。

 

所得連動返還型無利子奨学金制度とは平成24年度から開始された制度であり、元本の返済義務は変わらないものの、年収300万超となるまで返還開始時期が猶予を受けることが可能です。

更に返還期間猶予制度と異なり、この制度では猶予年数に上限が設けられていないことが特徴です。

 

しかし、この制度の適用条件が第一種奨学金に限られるので注意が必要です。

 

このように日本学生支援機構では、救済措置として適用にはいくつか条件はありますが日々の支払いの負担を減らす制度が設けられています。

 

訴訟や強制執行にまで至っていない方であれば、まずはこれらの制度を利用を検討してみてはいかがでしょうか。また利用する場合にはなるべく迅速に行動することをおすすめします。場合によっては既にこれらの制度が利用できない事もあります。

 

もう絶対に返済不可能な場合

上記で説明した通り、日本学生支援機構では奨学金の返還が困難である方に対しての救済措置が設けられています。

 

しかしこれらの救済措置はどれも借金元本そのものの減額や、利息の免除を行ってくれるものではありません。

 

そのためこれらの制度を利用しても借金の返済が極めて困難である状態に陥っている場合は債務整理を検討する必要があります。

 

債務整理とは借金の減額や、支払い猶予を受けることが出来る手続きです。

 

債務整理にはいくつかの方法があります。しかし、債務整理というと自己破産を考える方は多いのではないでしょうか。

 

自己破産とは返済が出来ないことを裁判所に認めてもらうことで、返済義務が免除となる債務整理手続きです。ただし、自己破産では住宅や車などの財産を手放す必要があります。

 

そこでおすすめしたいのが個人再生という制度です。

個人再生とは民事再生法に基づき、借入の元手を上限5分の1程度にまで減額し、更に将来的にかかる金利を免除して減少後の借金を3~5年に亘って分割し、返済するという債務整理手続きです。

 

個人再生では自己破産と異なり、条件はありますが住宅や車などの財産を維持することが出来ます

 

例として奨学金の借金が現状で300万円残っている、というケースを想定します。この場合において個人再生手続きを利用することによって、借金の元本を100万円までに圧縮することが出来ます。

 

更にこの手続きを適用した場合、この100万円には利息が一切付かないために3年間で支払いを行う際には月々の返済額が2.7万円、5年間で支払いを行う際には月額の返済額は1.6万円にまで減額することが出来ます。

 

しかし、デメリットとしては信用情報機関に事故情報として登録されるため5~10年間にかけて新たな借入やローンの利用に制限がかかる、または利用ができなくなります。

 

ただ自己破産に比べて個人再生では法律上の制限が少なく、また条件はありますが財産の保持したまま返済が行えるので、個人再生の方がメリットは大きいのではないでしょうか。

 

奨学金の返済が日本学生支援機構の設けている救済措置を利用しても困難である場合、債務整理の個人再生の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

ただし、自己破産や個人再生の債務整理には先ほど述べたように借入やローンなどの利用に制限がかかることなどの社会的なペナルティが課されるため、必ず自分の置かれている状況や債務整理の制度を詳しく理解した上で、債務整理を利用するかどうか判断して下さい。

 

安易に債務整理に頼らないにしましょう。

 

また、債務整理を行う際は、まずは弁護士や司法書士と相談を行いましょう。債務整理についてや自分の状況を知ることができます。知った情報は債務整理をするかどうかの判断材料となるはずです。

 

関連ページ

「家計簿」つけられますか?自己破産に必要な書類一覧
自己破産には種類がある?「同時廃止」「管財事件」の違い
自己破産や個人再生を自分でする場合のメリットとデメリット
自己破産しても借金がチャラにならない?「免責不許可事由」とは
株やFXの信用取引で自己破産するにはどうすればよい?
スイスフラン大暴落による借金は自己破産できる?FX追証の借金解決法
官報を閲覧する方法ってあるの?自己破産や個人再生の情報
管財とは?自己破産の少額管財の東京地裁と全国の運用
自己破産の2つの種類「管財事件」と「同時廃止」
破産管財人の役割とは?自己破産で裁判所が選任する「破産管財人」とは?
ギャンブルでできた借金を自己破産で裁量免責されることはある?
自己破産を2回しながら免責許可を得ることはできるの?
2回目の自己破産にはどんな問題がある?2回目の自己破産は可能なのか?
ギャンブル裁量免責はギャンブルや投資の借金でも免責になるってホント?
子浩法律事務所から請求された場合に無視をしたらどうなる?
自業自得!?ギャンブルで作った借金は自己破産で免責されない!!
自己破産した後にクレジットカードを作成したい場合はどうすれば良いの?
自己破産の時効ってどれぐらい?自己破産後からローンが組めるまで
自己破産で借金をなくしたい…でも家は残したい時の借金の整理の仕方
自己破産の手続きの流れを説明!期間とスケジュールについて
自己破産後の信用情報に記録される期間はどれぐらい?
自己破産後に携帯電話の新規契約にどのような影響があるのかを解明!
自己破産をすると今使っている携帯電話は解約になるって本当?
自己破産後の住宅ローンは何年組めない?審査を受けるタイミングとは?
自己破産をすると生命保険は管財人によって解約されてしまう!?
積立型の生命保険は自己破産をすると解約されるその理由
自己破産後の滞納税金や租税債権の免責について
自己破産する直前に滞納分の税金等を支払った場合の偏頗弁済について
自己破産すると国民年金や厚生年金が受給できなくなるってホント?
自己破産した場合、年金も没収されてしまう!?年金と自己破産の問題
自己破産後の年金はどうなる?普通の生活を守るためにやっておくべき事
自己破産するにもお金がかかる? 自己破産に必要な費用と支払い方法
自己破産の費用を払うお金がない時の対処法!法テラスに相談しよう!
自己破産時の必要書類と手続きの流れ
確認しよう!自己破産の必要書類と申請前に準備しておくべき事
知っておくと困らない!自己破産の弁護士費用の相場
自己破産で必要な弁護士費用や裁判所に払う費用はどのくらい?
自己破産をすると借金の保証人にはどんな事が起こるの!?
自己破産すると連帯保証人にとてつもない迷惑をかけることになります
自己破産の流れ【破産と免責許可の同時に申し立てした場合】
自己破産ができないケースってどんな状態?自己破産できない時の対処法
自己破産すれば借金は全てなくなる?免責が認められるには!?
住宅ローンのため自己破産すると、マイホームはどうなるの!?
特定管財事件と通常の管財事件の費用の違い〜自己破産の少額管財の流れ〜
自己破産した後も、交通事故の損害賠償は支払う義務はあるの?
生活保護の受給者は自己破産費用(予納金)が免除されるって本当?
生活保護者が破産した場合、不正受給した返還金は免責されるの?