自己破産をすると借金の保証人にはどんな事が起こるの!?

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自己破産をすると借金の保証人にはどんな事が起こるの!?

ローンを組む場合や大きい金額を借り入れする場合には保証人をつけることがほとんどです。その借金が返済できなくなりもし債務者が自己破産をおこなった場合、保証人にはどんなことが起こるかご存知でしょうか?

 

債務者が自己破産をした場合

保証人とは、民法第446条に「主たる債務者がその債務を履行しない場合に、その履行をなす責任を負う者」と規定されています。

 

単純にいうと保証人とは、肝心な債務者がお金を返済できない場合にその債務者に代わりその借金を返済すると契約をした人です。

 

債権者は、債務者が返済できなくなった時点で保証人に借金の残額を請求することになりますので、債務者が自己破産で免責されても保証人には返済義務が残ります。

 

保証人になるということは債務者との信頼関係が深くないとできないことであり、もし債務者が自己破産をするとしたならば、その保証人に取り立ての迷惑がかかることを恐れ、自己破産手続きの申請をすることを躊躇する方が多くいらっしゃいます。

 

保証人には通常の保証人と連帯保証人という区別があり、どちらの保証人も債務者が自己破産した場合に代わり返済する義務があります

 

が、次の三つの点に違いがあります。

 

催告の抗弁権

債権者が保証人(連帯保証人を含む)に対し請求してきた際、保証人では主である債務者に十分な請求行為をするように求めることができる権利のことで、連帯保証人にはこのような権利がありません。(民法第452条、第454条、第455条)

 

検索の抗弁権

主である債務者が返済能力があるのに支払いを拒否している場合に、保証人は債務者に強制的に返済するよう債権者に主張する権利があります。

 

しかし連帯保証人にはそのような権利はなく債務者に財力があったとしても、債権者から請求されたら返済しなければいけません。(民法第453条、第454条、第455条)

 

分別の利益

連帯保証人を含め保証人が複数いる場合、保証人ではその人数で返済額を割った金額が上限となり返済すればよいのですが、連帯保証人の場合では返済額の全額を支払わなければなりません。

 

例えば500万円の借金に対し5人の保証人がいる場合はひとりあたりの上限金額は100万円ですが、連帯保証人の場合は500万円の全額を返済する責任があります。

 

もし連帯保証人が2人いてもそれぞれ500万円の責任を負うかたちになりますが返済額以上の金額を支払う必要はありません。(民法第456条)

 

以上のことから通常の保証人は2つの権利と分別の利益があり、責任が軽減されているのに対し、連帯保証人は債務者と同等の義務を負うことになるので連帯保証人のほうがあきらかに重い責任が圧し掛かっています。

 

このようなことを踏まえて近年では保証人を付ける場合、保証人ではなく連帯保証人として設定することがほとんどです。

 

債務の義務や権利に違いがある連帯保証人と保証人ですが、債務者に代わり借金を返済すると債務者に対し求償権の行使をすることができます。

 

「求償」として債務者に請求することができる

求償とは民法第442条、第459条に定められている権利で、保証人(連帯保証人を含む)が債務者に代わり立て替えた借金分を返済してくれるよう、主となる債務者に返還を要求する権利のことをいいます。

 

この求償権は債務整理にかかわらず、慰謝料を立て替えて支払った場合などの幅広い事柄で使用され、主となる支払う義務のある本人に返還を求めることができるものです。

 

保証人が債務者に対して求償権を行使する場合、求償できる返還範囲や方法については保証人となった経緯(保証契約の内容)によって違いが生じることと、求償権には時効があり、立て替えた後はいつでも求償権を使用できるとは限りません。

 

主となる債務者より委託され保証人となった場合、求償可能な範囲は法定利息、債務を返済に行った際の交通費など必要となった費用、損害賠償を含む立て替えた借金の全額を求償できます。

 

主となる債務者より委託を受けずに保証人となった場合は、立替返済をおこなった当時、主となる債務者が利益を受けた限度で求償できますので、法定利息や費用、損害賠償などは含まれません。

 

主となる債務者の意思に反し保証人となった場合は、求償の時点で主となる債務者が現に利益を受けている限度で求償ができます。

 

債務者に保証人が立替返済をおこなった通知をしていないと、その返済は善意の返済とみなされ求償権の返還範囲に制限される可能性がありますので、気をつけなくてはいけません。

 

また、債務者が自己破産する可能性があり、求償をしても返還されないことが明確であるときは、債務が弁済期にあるときなど一定の条件のもと、保証人が立替返済をおこなう前でも主となる債務者に求償することができます。

 

これを事前求償権といいますが、主となる債務者より委託され保証人となった場合のみとなります。求償権は時効があり、一定の期間内に行使しなければ権利自体が消滅してしまいます。これを消滅時効といい、民法第166条、第167条に規定されています。

 

求償権の消滅時効は、債権者か債務者のどちらかが商法上の商人であれば商事債権となり5年、どちらも商人ではない場合は一般的なものとして10年の一定期間があります。

 

消滅時効期間のスタート日は、債権者に立替返済をおこなったときからはじまります。

 

保証人も債務整理を検討せざるを得ない

前記のように求償権を行使して主となる債務者に立替返済した分を返還請求することができます。

 

しかし、債務者が自己破産をおこなってしまった場合は、支払い義務を免責されることとなりますので、保証人は求償権を役立てることができなくなります。

 

主となる債務者が自己破産をして、保証人が返済の義務を果たさないといけない状態になり、もし保証人にもその借金の返済能力がなかったとしたら、保証人も債務整理の検討することを念頭におかなければなりません。

 

主となる債務者が自己破産を検討しているのなら、保証人にその旨を伝え少しでも誠実な対応をすることが重要です。

 

もし仮に保証人に何も言わず自己破産をした場合、債権者からの請求が保証人に突然くることになり、驚くとともになぜ先に知らせてくれなかったのか不愉快な思いをすることになりかねません。

 

保証人になってもらえている関係なので、主となる債務者にとってはとても大事な人のはずです。保証人にはとても言いにくいことですが、意を決して少しでも早く自己破産を考えていることを伝え保証人にも準備をする時間をつくってあげることが大切です。

 

少なくても自己破産の申請をおこなう1ヵ月くらい前にはその旨を伝え相談するべきです。

 

また、保証人に相談することも大事ですが、自己破産をするかどうか一人で悩んでいるのならあれこれと迷っているうちに時間が過ぎ、その悩んでいる間にも借金が膨れあがる可能性があります。

 

一人で悩まず早い段階で債務整理のプロである法律相談事務所で相談することをおすすめします。

 

また、自己破産は手続きが多く、

  • 申立人に目ぼしい財産がない場合の同時廃止
  • 財産がある場合の管財事件

の2通りの手続きに分かれています。

 

同時廃止の場合は約3ヵ月〜半年、管財事件の場合は約半年〜1年と、手続き完了するまでに期間が必要になりますので早めの行動が重要です。

 

申立人に財産があるかないかの基準は20万円で、同時廃止の手続きに進むためには、免責不許可事由に該当していないことが必須となります。

 

このように自己破産の手続きには準備や時間が必要なことを踏まえ、行動を起こしましょう。

 

 

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