自己破産や個人再生を自分でする場合のメリットとデメリット

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自己破産や個人再生を自分でする場合のメリットとデメリット

自己破産や個人再生は、必要な書類を揃えて裁判所へ提出し、借金をゼロにしたり、大幅に圧縮して負担を減らしたりする手続のことです。基本的にどちらの手続も専門家へ依頼して行うことがほとんどですが、では、依頼をせずに自分自身で手続をすることはできないのでしょうか。

 

自己破産や個人再生を専門家へ依頼する場合と自分自身で行う場合、それぞれのメリットやデメリットについて考えてみましょう!

 

自己破産

1.自己破産を専門家に依頼するメリット

手間が省ける

なんと言っても「申立にかかる手間が省ける」というのが一番大きなメリットです。
まず、申立にはさまざまな書類が必要です。借金や財産関係の資料をコピーして準備するだけではなく、

 

  • 破産申立書
  • 陳述書
  • 財産目録
  • 債権者一覧表

 

など、多くの書類を自分で作成して提出する必要があります。それぞれに記載すべき内容は決められていて、必要事項が記載されていなかったり、記載方法に間違いがあったりした場合、何度でもやり直しになってしまいます。
専門家は書類の書き方のポイントを熟知していますから、依頼者からの聞き取りや持参した資料をもとに、これらの書類を不備なくきちんと仕上げてくれるのです。

 

書類作成のときに依頼者がすべきことは

 

  • 頼まれた書類を持ってくる(財産関係の書類、戸籍類など)
  • 聞かれたことに素直に答える

 

これだけです。

 

取り立てが止まる

専門家へ自己破産を依頼すると、それ以降は本人宛の取り立てが止まります。自己破産の準備がどれくらい進んでいるのか、という問い合わせなども本人ではなく専門家宛に来ますから、本人宛に連絡が来ることは基本的に一切なくなります。
取り立てにお困りの方は、これがどんなに精神的に楽になるか、想像できることでしょう。

 

借金を支払わなくてよくなる

専門家への依頼後は、今まで払っていた借金を支払う必要がなくなります。その分を自己破産の費用に充てることができるので、無駄がありません。費用はたいていの場合分割で支払うことができますから、依頼先に確認してみましょう。

 

その他

弁護士が代理人として破産申立を行うと、裁判所によっては 「即日面接」「少額管財」という形で扱ってもらえる場合があります。

 

「即日面接」とは、申し立てたその日に弁護士が裁判官と面談を行い、管財/同廃について話し合ったり、開始決定をいつにするか決めたりするもの。「即日面接」がなければ開始決定まで数週間かかることもありますが、「即日面接」を行って問題がない場合、当日すぐに開始決定が出るので、手続にかかる期間が短くてすみます。

 

「少額管財」とは、管財事件のうち、予納金の額が少なくてすむ手続のことです。個人の管財事件の場合、内容的には少額管財になることが多いのですが、それは弁護士が代理人としてついている場合のこと。本人申立の場合は「少額管財」として扱ってもらえず、「通常管財」として扱われてしまいます。「通常管財」の予納金は「少額管財」に比べて高く設定されていることが多いので、注意が必要です。その差額を弁護士費用として支払ったほうが、手続の手間などを考えると無駄がないといえるでしょう。

 

2.専門家へ依頼するデメリット

弁護士などの専門家へ自己破産を依頼すると、当たり前ですが費用がかかります。その点が唯一のデメリットと言えるでしょう。
しかし、書類作成や裁判所とのやりとり、管財の場合の予納金のことなどを考えると、費用を払ってでも専門家に依頼する価値は十分にあるはずです。費用のことがネックで相談や依頼を躊躇しているのであれば、まずは無料相談という形で相談へ行き、費用のことについて正直に聞いてみましょう。分割払いや「法テラス」の利用など、利用できる方法はいろいろあるはずですよ。

 

3.それでも「自分でやりたい」場合

  • 財産がほとんどない(同時廃止案件)
  • 取り立てが止まらなくても平気
  • 書類を揃える手間もいとわない

 

このような条件に当てはまるのであれば、自分でやってみてもいいかもしれません。ただし、予想以上に手間がかかることを覚悟しておきましょう。
また、自分で「財産がないから同時廃止!」と判断しても、法律的に「管財事件になる」と判断される場合もよくあります。自分で進めていく中でわからないことや困ったことがあれば、早めに専門家の助言を求めるようにすべきです。

 

個人再生

個人再生は「借金を圧縮して今後も支払っていく」という手続です。そのため、借金をゼロにする自己破産よりもさらに専門的な知識・書類作成能力が求められます。

 

自己破産はともかく、個人再生を自分だけで行うのは相当無謀と言ってもいいでしょう。その理由は下記のとおりです。

 

1.書類作成は自己破産に輪をかけて大変

自己破産の場合もたくさんの専門的な書類を作成する必要がありますが、個人再生の場合、支払可能性の有無の判断や返済額についての検討などをする必要があるため、

 

  • 清算価値算出シート
  • 可処分所得算出シート
  • 再生計画案
  • 返済総額算出シート

 

など、より複雑な書類を裁判所の定める期限までに作成・提出する必要があります。

 

2.個人再生委員の報酬が必要

代理人をつけずに申立を行うと、基本的に返済可能性のの調査などを行う「個人再生委員」が選任されます。その「個人再生委員」の報酬は申立人が準備しなくてはならないため、弁護士費用が浮いたと思っていても、結局同じくらいの金額を支払うことになりかねません。

 

3.住宅特別条項付き個人再生は特に厳しい

自分が居住している住宅を手放さずに他の借金を圧縮できる「住宅特別条項付き個人再生」は、さらに複雑な手続が求められます。本人申立で手続を進める中で不備や不都合があった場合、結局自己破産に移行せざるを得なくなる場合があります。そうなると結局自宅を手放すことになってしまうかもしれません。

 

4.裁判所も「弁護士に依頼せずに個人再生をするのは難しいと思われる」と言っている

一般的に,弁護士に依頼をせずに,本人で日常の仕事に従事しながら,個人再生の申立手続を遂行していくことは,実際には相当難しいと思われますので,破産,調停,個人再生手続(「小規模個人再生手続」,「給与所得者等再生手続」のどちらを選択するか),弁護士による任意整理,のどの手続を選択するかも含 めて弁護士会の相談窓口や司法書士などに相談したり,書類作成のアドバイスを求めることをお勧めします。

 

引用:〜個人再生手続の申立てを考えている方のために〜 名古屋地方裁判所民事第2部個人再生係

 

このように、裁判所としても「個人再生を自分でやるの難しい」というスタンスをとっています。無理に自分で手続をしようとせず、まずは専門家に相談だけでもするべきです。

 

裁判所はアドバイスをしてくれない

「わからなかったら裁判所に聞けば教えてくれるだろう」と思う人は多いのですが、それは間違いです。裁判所はあくまでも中立的な立場ですから、手続の手順や方法などは教えてくれても、書類作成のアドバイスなどはしないことになっています。詳細を聞こうとするとおそらく「弁護士のところへ行ってください」などと言われてしまうことでしょう。

 

破産申立における弁護士と司法書士の違い

弁護士・司法書士、どちらも自己破産や個人再生を依頼することができますが、大きな違いは「『代理人』として裁判所に申立ができるかどうか」という点です。
弁護士は『申立代理人』となることができるため、書類作成や申立もすべて代理で行うことができ、裁判所に対しても「この人の代理人は自分ですから、何かあったらこちらへ連絡をください」と言うことができます。
一方、司法書士は法律上「申立代理人」にはなれないため、自己破産や個人再生の申立の場合、「書類作成の手伝いを行う」という形になります。

 

いずれにせよ一度相談をしよう

自己破産も個人再生も、法律的な判断などを個人がするには限界があります。申立自体を自分でしようと思っているとしても、まずはそれを前提に専門家に一度相談をしてみましょう。依頼をしないまでも、細かな助言を受けることができるはずです。
相談だけであれば無料、というところも多いので、全て自分で判断せず、一度専門家の意見を聞いてみましょう。