過払い金返還請求をするとブラックリストに載るのか?

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「同時廃止」「管財事件」の違い

返済が滞ったり、弁護士に債務整理を依頼したりすると、「個人信用情報機関(いわゆる「ブラックリスト」にその旨が記載されます。一定の期間その情報は載り続けるため、手続き後数年間はクレジットカードの審査に通らなかったり、住宅ローンを組めなくなったり…という不都合が生じることもあります。

 

ところで、「過払い金返還請求」は任意整理の一種ではありますが、相手に返すお金についての交渉ではなく、「相手から返してもらうお金の交渉」であり、他の債務整理とは性質が違います。

 

その「過払い金返還請求」の場合、個人信用情報機関への記載はどのようになるのか、見ていきましょう。

 

個人信用情報機関についての概要

現在日本で個人信用情報を取り扱っている機関は

 

  • CIC(株式会社シーアイシー):信販・クレジット系
  • JICC(株式会社日本信用情報機構):消費者金融系
  • 全銀協(一般社団法人全国銀行協会):銀行系

 

の3つです。これらの機関は相互に情報共有を行っていますので、たとえば「信販系のカードでしか滞納していないから、銀行系の審査は通るはず」などということにはなりません。

 

実は「過払い金返還請求」は2種類に分けられる

過払い金返還請求は「払いすぎた利息を取り返す手続」ですが、そこに至るまでには2つのケースがあります。
ポイントは「現時点で借金が残っているかどうか」です。

 

1.借金が残っている状態で計算しなおしたら過払い金が発生したケース

任意整理を専門家へ依頼すると、専門家は取引履歴を元に、正しい借金の額を算出するための「引き直し計算」を行います。過去に利息制限法を超える利率で取引をしていた場合、利息制限法内の利率で改めて計算をすると、借金の額が大きく減ったり、ゼロになったり、逆に過払い金が発生していることが判明したりします。

 

借金が残っている状態で弁護士などの専門家に任意整理を依頼すると、貸金業者は「この人は債務整理になった」ということを一旦信用情報に登録し、その後過払い金があるということが確定してから、その旨の記載は削除されます。

 

2.完済しているケース

完済、つまり「すでに借金を返しきった」という場合、過去に利息制限法を超える利率で取引していたのであれば、過払い金が発生している可能性が高くなります。

 

以前は完済している案件であっても、過払い金返還請求を行った場合はその旨が信用情報に登録されていました。しかしその場合、遅れることなく支払い続けて完済となった場合でも、信用情報に登録されてしまうということです。信用情報に登録があるとクレジットカードの申込等ができなくなってしまうため、まじめに支払を続けていた元契約者にとっては不利益となってしまっていました。

 

そのため、平成22年以降、「完済事案で過払い金返還請求をした」という場合は、個人情報への記載はなくなりました。それ以前の同様の情報も削除されています。

 

借金が残っている場合の注意事項

1.依頼するタイミングに注意!

過払い金の有無が確定していない状態(「まだ借金は残っているけど、ずいぶん昔から取引をしている。もしかしたら過払いがあるかも?」と思っている段階)で専門家へ依頼をすると、一旦は信用情報に登録されてしまいます。

 

その後過払い金があることが確定したらその情報は消えますが、情報が消える前に別の会社のクレジットカードを申し込んだりすると、審査に落ちてしまう可能性があるので注意しましょう。

 

2.計算後、借金が残ることもある

また、「過払いがあるはず!」と思って意気揚々と専門家へ依頼したとしても、計算してみると過払いどころか借金がまだ残ってしまう…ということもあります。その場合、任意整理をしたという情報が数年にわたって登録され続けることになりますので、今後クレジットカードを新しく作ったり、住宅ローンを組んだりする予定がある人は気をつけましょう。

 

完済している場合の注意事項

クレジット系のキャッシングを完済した場合でも、同じカードでショッピングを利用していることがあります。その分の引き落としが終わっていないと「完済」とは扱ってもらえず、「債務整理」として情報が登録されてしまうのです。
特にクレジット系のキャッシングの場合は、ショッピングの利用がないかどうかもきちんと確認したうえで過払い金返還請求を行いましょう。

 

信用情報機関への登録を避けるには

「過払い金があるかどうか微妙なところだから調べたい。でもブラックリストには絶対にのりたくない」と思う人は、まず「ご自身で取引履歴の請求をする」という方法をおすすめします。

 

弁護士などの専門家が契約者の代わりに履歴の請求を行うと「債務整理」になってしまいますが、契約者自身が取引履歴の請求を行うのであれば、それは単なる「契約内容の確認」であり、債務整理ではありません。

 

履歴が手元に届いたら、それを持って専門家へ相談へ行きましょう。場合によってはその場でざっくりと引きなおし計算をして、過払い金の有無を確認することができます。そこで「過払い金が発生している」とわかったら依頼する、という方法をとると無駄がなく、信用情報へ登録されることもありません。

 

なお、「引きなおし計算」は大変複雑ですし、契約の流れや途中完済の有無などで計算方法も変わります。自分自身でやってみて「過払いが出ている!」と思って請求しても、法律的にきちんと確認してから計算すると「借金が残っていた」という結果になってしまうことも。そうなると信用情報に「債務整理」の登録がされてしまい、不利益を被る可能性もあります。

 

過払い金が発生しているかどうかわからない場合は

 

・履歴の請求は自分で
・引きなおし計算は専門家に

 

この2つを覚えておきましょう。