一括?分割?任意整理で大切なのは「その後」

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任意整理の費用〜項目別に解説

自己破産と異なり、「任意整理」はその後借金を返済することが前提の手続です。返済には大きく分けて

 

・一括弁済
・分割弁済

 

の2種類がありますが、あなたはどちらの返済方法を希望しますか?

 

この記事では、一括/分割それぞれにおいて、注意すべき点などについて解説します。

 

一括払い

任意整理において、弁護士などの専門家は基本的に「利息をカットした元金」をベースに交渉・和解をします。そのため、「自分が思っていたよりも総額が少なくなる」ということがよくあります。また、「一括で支払ってもらえるならもっと減額できます」という業者もいます。

 

一時的に出費は増えますが、今後の生活の立て直しを考えた場合、一括で支払うことが出来るなら、一括で支払ってすっきりしてしまうに越したことはありません。

 

支払い方法として考えられるのは

 

  1. 預貯金
  2. 保険などの解約金
  3. 親族の肩代わり
  4. 過払い金

 

などです。

 

1.預貯金

一番現実的な方法です。一括で借金を支払い、それでもなお生活していくのに困らない程度の預貯金があるのであれば、一時的に残高が減ることには目をつぶって、一括で支払うことをおすすめします。減った分はまた貯金していけばいいのです。自動引き落としの制度などを利用すると、自分で毎月作業をしなくても勝手に貯まっていくので、気がついたら一括で支払った分以上の貯蓄ができていた…ということになるかもしれませんよ。

 

2.保険などの解約金で支払う

掛け捨てではない生命保険の場合、途中解約することである程度まとまったお金(解約返戻金)が入ってくることがあります。それを元手に一括返済する、ということも考えられます。
ただし、生命保険を途中解約すると、

 

・場合によっては今まで積み立てていた分より少ない額しか戻ってこない
・今後の保証がなくなる

 

などというデメリットがありますので、解約はよく考えてから行うようにしてくださいね。

 

3.親や親族などの肩代わり

よく聞く話ですが、実はこれはあまりおすすめできません。自分自身の懐が痛まないため生活を改められず、「次も親が払ってくれる」という甘えのもと、また新たな借金を作ってしまう可能性が高いのです。
親として「私が代わりに払ってあげたい」と思う気持ちは十分にわかります、病気などで本人が分割で支払っていくのが難しい、などという場合を除き、「本人が支払う」ということを念頭に置いて返済について考えるべきであり、それがひいては今後の本人のためなのです。

 

4.他社の過払い金

複数の会社について任意整理を依頼すると、そのうち何社かは過払い金が発生している、ということがあります。その場合は過払い金を使って一括返済することが可能です。自分の預貯金や生命保険などを切り崩す必要がなく、非常に合理的な返済手段であると言えます。

 

分割支払

債務整理においては「一括で支払えるほどの経済的余裕がないために債務整理を専門家に依頼している」という状況の人が多いため、分割での支払いというのが現実的なところです。

 

分割支払をするにあたって大切なのは「支払金額の設定」です。今後の支払金額を決めるポイントとして

 

・当初の契約時よりも少ない額にする
・「これくらいなら払えるかな」と思う金額の7〜8割程度にする

 

の2つが挙げられます。

 

1.当初の契約時よりも少ない額にする

当初の契約時に設定した金額で頓挫してしまい任意整理に至っているわけですから、基本的には当初の契約時よりも少なめに設定すべきです。

 

なお、「3社分の任意整理をお願いしたところ、そのうち1社は過払い金が発生していた。そのため今後支払う必要があるのは2社分のみ」などという場合はその限りではありません。ただ、その場合でも「今まで払っていた合計額よりも少ない額にする」ことは忘れないで下さいね。

 

2.「これくらいなら払えるかな」と思う金額の7〜8割程度にする

そもそも、借金の返済に困っている人は、「収支の計算」が苦手な傾向にあります。そのため、支払金額を決めるときも深く考えずに「なんとなくこれくらいなら払えそう」というざっくりとした金額を言ってしまいがちです。でも、それは「根拠のある金額」ですか?

 

まず、自分の収支をざっくりとでもいいので紙に書き出してみましょう。そしてそれをもとに「毎月このくらいなら払える」というおおよその金額をきちんと計算します。

 

そして、「計算で出てきた金額の6〜7割くらい」を支払額として提示しましょう。

 

月々の支払金額が少なくて困る、ということはありえません。和解金額は可能な限り安い金額で設定しておいたほうが、大きめの出費があった月などに焦らなくて済むでしょう。多めに支払える月があるのならやや多めに支払えばいいだけの話です。

 

専門家相手に見栄を張ったりする必要はありません。現状をありのまま話して、生活に支障のない範囲で支払える金額を見つけられるといいですね。

 

ただし、借金の額が大きいのに月1000円しか支払えない、などという場合、任意整理で解決できる問題ではない可能性があるので、自己破産なども視野に入れて専門家と話をしたほうがいいでしょう。

 

2.任意整理のメリットは分割弁済のときに実感できる

なお、将来利息がついている借り入れの場合、完済時期を遅らせれば遅らせるほど、利息がかさみ、支払総額が増えてしまいます。しかし任意整理は「将来利息なし」での和解が多いため、完済時期が遅れても、総額が増えるということはありません。ここは任意整理の大きなメリットです。

 

一括でも分割でも、大切なのは「その後」

せっかく任意整理をして経済状況の改善をはかったとしても、「借金癖」が抜けなければ、最終的にまた借金の返済に困ることになりかねません。

 

「借金癖」とはただ単に「借金をする癖」というわけではなく、

 

・収支に無頓着
・節約できるところで節約しない

 

など、金銭面の管理が苦手なためにずるずると借金をしてしまう、という癖のこと。

 

「もう借金をしないぞ!」と張り切るだけではなく、具体的に生活の見直しをして始めて、本当に借金から開放されるのです。

 

・家計簿をつける
・袋わけで予算管理をする

 

など、家計の管理をするというのはもちろんですが、それでもハードルが高いという人は

 

・仕事帰りにコンビニに寄る回数を減らす
・毎朝コーヒーを買う代わりに水筒にお茶をいれて持っていく

 

など、ほんの少しだけ意識や行動を変えるだけでも、少しずつ生活は変化していきます。

 

債務整理がきっかけとなって、前向きな生活への第一歩を踏み出せるといいですね。