家族の代わりに任意整理できるか?

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家族の借金が判明!そのときすべきこととは?

「夫宛に見知らぬ封筒が届いていたので見てみたら、借金の督促状だった…!」
「息子あてに不審な電話がかかってきた。息子に問い詰めたら借金をしていることがわかった…!」
思いもよらない家族の借金が判明したとき、あなたならどうしますか?

 

家族の借金が判明したときにまずするべきこと

1.冷静になる

それまで借金のことを話していなかったということは、何か後ろめたい気持ちがあったということです。その点について責めたい気持ちは十分にわかりますが、そこで強い口調で責めてしまってはいけません。相手も攻撃的になったり、逆に口を閉ざしてしまってコミュニケーションができなくなったりしてしまいます。まずは深呼吸して冷静になりましょう。
話すときはあくまでも普通の口調で。そうすることで相手も落ち着き、聞いたことにきちんと答えてくれるでしょう。

 

2.使い道を聞く

何のために借金をしてしまったのか聞きましょう。生活費なのか、遊興費なのかで、その後の対応の仕方も変わってきます。

 

3.今回判明したもの以外に借金がないか、確認する

借金癖のある人は、1社からでは足りずに数社から借入をしていることがよくあります。「これ以外にはない?」と優しく確認しましょう。本人の許可のもと、財布の中のカードをみせてもらっても良いですね。

 

4.担保をつけた借り入れや、誰かに肩代わりしてもらった分がないか確認する

持ち家がある場合、それを担保にいれて借入をしている可能性があります。本人の言い分が信用できないなら、「不動産登記事項証明書」を法務局で取得して、記載内容を確認しましょう。「不動産登記事項証明書」は誰でも、どこの法務局でも取得が可能です。

 

また、家族に秘密で借金をしている場合、返済に困って親や友人に肩代わりをしてもらっているということも考えられます。そこも確認しておきましょう。

返済方法の検討〜「債務整理」を視野に入れよう

ここまで来ると借金の全体像が見えてくるはずですので、

 

・今までどうやって返済していたのか
・今後の返済はどうするつもりだったのか

 

などを本人から聞き、今後の返済方法をどうしていくか考えましょう。

 

本人の収入の範囲内で今後も問題なく返済していくことができるのであれば、それに越したことはありません。しかし

 

・思いのほか総額が多く、家計からも出さないと返済は難しそう
・家族が借金をしているのはイヤなので、一括で本人に返済させたい

 

などという場合は、任意整理を弁護士に依頼することをお勧めします。

 

「代わりに払う」という選択肢は捨てる

ここで「親や妻がすべて肩代わりして支払う」という選択肢も考えに浮かぶかもしれませんね。

 

しかしこれは全くおすすめできません。

 

借金癖のある人には、「借金が家族にばれて大変だった」という記憶ではなく、「肩代わりしてもらってなんとかなった」という都合のいい記憶だけが残ります。そしてその記憶をもとに「きっと今度もなんとかなる」という根拠のない思い込みから、何度も借金を繰り返してしまうようになるのです。

 

心を鬼にして「代わりに払う」という選択肢は捨てましょう。

 

家族の借金を任意整理したいときの注意点

そこで具体性を帯びてくるのが「借金の整理を専門家に依頼する」という選択肢ですが、いくつか注意点があります。

 

1.本人に任意整理の意思があるか

 

法律上、弁護士は「本人」から委任を受けたうえで、法定代理人として和解契約などの法律行為を行います。「本人の妻」「本人の兄」などから委任を受けることはできません、あくまでも「本人の意思」が必要です。
本人が「弁護士になんて依頼したくない!」と頑なに思っているのであれば、その意思に反して家族が弁護士に依頼させる、ということは残念ながらできません。(認知症や精神疾患など、特殊な事情がある場合は「成年後見」などの制度がありますが、それはまた別の話です)

 

2.判明した分以外の借金の可能性も考える

たとえば、「夫はA社B社の2社から借入をしています。それ以外に借入はない、と夫は言っています」という相談をする、としましょう。
妻は夫を全面的に信用し、「夫が2社と言っているんだからそれ以上に借入はないだろう」と思って相談をしているのですが、あくまでも「夫はこう言っている」というだけです。「C社から別途多額の借入をしていて、その分は妻に秘密にしている」という可能性を完全に排除することはできません。

 

万が一、2社の任意整理を終えたあとにC社からの借入が判明したら、どうなるでしょうか。
「C社の返済分も入れるとやっぱり支払えない…」などということになると、苦労してまとめた和解案が無駄になってしまいます。また、場合によっては破産などに移行せざるを得ないような場合もあり、そうなると自己破産のための費用も別途必要になります。

 

任意整理に限らず、債務整理は依頼者本人についての正確な情報をもとに専門化が最適な解決案を考えます。専門家といえど、十分に情報が与えられなければ、適切な回答ができない場合もあるので注意が必要です。

 

本人が債務整理を拒む理由とその対処法

 

「家族としては債務整理をして欲しいけど、本人が嫌がってしまって…」というのはよく聞く話です。

 

1.債務整理を拒む理由

 

本人が弁護士への依頼を拒むのはたいてい、

 

・プライドが高く、「借金の整理を弁護士に依頼する」という事実に耐えられない
・ただただ、面倒

 

などが主な理由です。

 

 

2.対処法のコツは「具体的な説明」

 

漠然としたイメージで「弁護士とかなんかいろいろ面倒くさい」と思っている人や、「この俺が借金を弁護士に依頼するなんて…」というような変なプライドを持っている人には、「具体的なメリット・デメリットの説明」が効果的です。

 

・任意整理をすると将来利息が不要になるため、支払総額はかなり減る
・月々の額も支払える程度に調整してもらえる。

 

などというメリットを、具体的な数値を挙げて説明しましょう。
家計簿を見せる、インターネット上の利息計算ツールを使うなど、方法は様々です。

 

また、

 

・借金を放置しておくと裁判を起こされる
・最終的に給与の差押などを受けるかも
・給与の差押をされると、職場に借金のことが伝わるかも

 

など、こちらも具体的に「借金を放置するとあなたに不利益になる」ということを伝えましょう。

 

繰り返しになりますが、コツは"具体的な数値を示して話をする"ことです。

 

■まずはご家族の方だけでも相談を

 

前述のとおり、「弁護士に依頼する」という行為は借金をした本人しかできません。しかし、「相談」だけであれば家族の方でもすることができます。

 

借金の全体像が判明していない以上、確定的なアドバイスはできないことが多いのですが、

 

・借金が現在判明している分だけだった場合
・現在判明している分以外にも借金があった場合
・自宅に担保が入っている場合

 

など、場合に分けて「この場合はこの債務整理手続を取れる可能性がある」などという一般的なアドバイスは可能ですし、「自宅が担保に入っているときに滞納したらどうなるか」など、心配事があれば併せて確認することもできます。

 

本人が乗り気ならもちろん本人が相談に行くに越したことはありませんが、それが難しい場合、まずは家族の方だけでも一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。