なぜ任意整理をすると借金が減るの?実は怖い「利息」の話

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なぜ任意整理をすると借金が減るの?

「任意整理をすると借金が減る」と言われますが、実際どういう仕組みで借金が減るのか、ご存じですか?
「なんかよくわからないけど弁護士や司法書士に依頼したら借金が減った!」という人も多いかもしれません。しかし、具体的にどのような計算方法で減ったのかを知っておくことで、逆に「なぜ自分の借金は今までなかなか減らなかったのか」などが理解できるようになり、今後の生活の再建にも役立ちますよ。

 

そもそも「任意整理」とは?
弁護士などの専門家が依頼者と金融機関の間に入り、依頼者の代わりに減額交渉をする債務整理の方法です。自己破産や個人再生などと違い裁判所を通さない手続なので、「5社から借入をしているうち、この2社だけを減額したい」など、比較的柔軟な対応が可能です。

 

任意整理をするとどうして借金が減るの?

基本的に「任意整理」をすると返済総額が減りますが、それにはいくつかのパターンがあります。

 

1.将来利息をカットするだけで返済総額はびっくりするほど減る

当然ですが、お金を借りると利息が付きます。

 

たとえば50万円を年利18%で借り、毎月1万円返済するとしましょう。完済までに何ヶ月かかると思いますか?

 

答えは93ヶ月。つまり完済までに7年9ヶ月もかかる計算になります。

 

そして、月1万円を93ヶ月払うのですから、返済総額はなんと93万円(※端数が出るので正確に言うと93万円ちょうどではないですが、わかりやすくするために93万円と記載しました)返済状況によって。借りたのは50万円なのに、返済総額はその倍近くにもなるのです。

 

「えっ、50万円なんだから、利息が付いても50ヶ月にちょっとプラスするくらいじゃないの?」と思った人もいるかもしれませんね。しかし「年利18%」というのがくせ者です。

 

50万円の18%は9万円です。50万円を1年間借り続けると、それだけで利息が9万円つくのです。実際は月々返済をしていって元金が減りますから、9万円よりはやや低い金額であり、返済を続けると利息分はどんどん減っていきますが、それでも利息分だけで非常に高い金額を支払っているのです。

 

さて、このような状態の借金を「任意整理」したとします。

 

それまでの借金の状況などにもよりますが、基本的に専門家が任意整理を行うときは「将来利息なし」で和解します。

 

任意整理前の支払総額:93万円
任意整理後の支払総額:50万円(将来利息なし=元金のみ)

 

差額は実に43万円!任意整理手数料や減額報酬などを差し引いても、十分に元が取れることがわかりますね。

 

任意整理をせず、利息がつき続けたまま返済していくと、「なんだか返しても返しても借金が減らない…」という状態になりがちです。しかし任意整理をして将来利息をカットすると、元金がどんどん減っていくのでゴールがわかりやすく、返済にも弾みがつきますよ。

 

2.過去に完済した取引がある場合

「3年前に借金を返しきったが、同じ会社からまた借入をしている」ということもあります。

 

この場合、この人と借入先との契約としては

 

(1)現在の契約
(2)3年前に完済した契約(完済)

 

の2つになります。

 

そして、「(2)3年前に完済した契約」について、契約の内容によっては過払い金が発生していることがあります。(2)の取引で過払い金が発生している場合、その過払い金を(1)の借金と相殺することができます。

 

具体的に金額を入れて考えてみましょう。

 

たとえば

 

(1)現在の契約:借金50万円残
(2)完済契約:過払い金10万円が発生

 

という状況だったとします。

 

まず、(1)の「現在の契約」が年利18%、月1万円の返済の契約だった場合、利息を含めた支払総額は93万円ですが、任意整理によって「将来利息なし」という和解をすることによって、支払総額は50万円に減ります。

 

そして、(2)の完済契約で過払い金10万円が発生していた場合、上記(2)の50万円とその過払い金10万円とを相殺することになりますので、結果として支払総額は40万円に減ります。

 

任意整理をしなければ総額93万円を支払わなくてはならなかったのですから、任意整理をすることで、結果的に支払額が半分以下になるのです。

 

 

なお、過去に取引があっても過払い金が出ないこともありますし、過払い金の方が現在の借金より多い、ということもあります。状況によって変わってきますので、「債務整理を依頼する前におよその額を知りたい」という場合は、相談前に自分で取引履歴を取り寄せ、それを持って専門家に相談に行くと、その場でざっくりとした金額を教えてもらえますよ。

 

契約内容やこれまでの返済の仕方などによって個人差がありますので、いずれにしても一度専門家へ依頼することをおすすめします。

 

長期的な視点を持って任意整理をしよう

 

「とにかく今お金が必要、返済はまあ、月1万くらいならたぶんなんとかなるよ」

 

このような気持ちでお金を借りてしまったこと、あるのではないでしょうか。

 

「月1万円を『何年間』支払うことが必要で、『合計いくら』支払うのか」ということは、実際に計算をしてみるとすぐにわかることなのですが、そこまで計算してから借入をする人はあまり多くありません。また、この「月1万円の返済」も、実際に生活をしていくと実は厳しかった…ということもよくあります。

 

借金でお困りの人の場合、「今月いくら払えばいい」という考え方はできても、「合計でいくら払うことになる」という「長期的な視線」が欠けてしまっていることが多いのです。そのため、「任意整理の手数料がかかるから、専門家へ依頼するのはイヤだ」と考えてしまうのです。

 

しかし、この記事のように「今後支払うべき合計金額」について考えてみると、一時的に手数料を支払ってでも、任意整理を依頼した方がいいのは明らかですよね。過払い金などが発生する可能性があるのならなおさらです。

 

「手数料払えない!無理!」と思考停止するのではなく、もう一歩踏み出して、自分の借金の整理について考えてみてはいかがでしょうか。