突然の裁判所からの通知…支払督促や訴状が届いたらどうする?

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支払督促や訴状が届いたらどうする?

借金をして、その後返済をせずに放っておくと、業者から電話がたくさんかかってきたり、督促状が届いたりします。それもさらに放っておくと、裁判所を通じた手続へ移行してしまうことがあります。

 

「裁判所からの通知」というとそれだけで驚いてしまいますが、内容をきちんと理解していれば怖いものではありません。
この記事では、裁判所から届く通知の種類と、その対処法について説明します。

 

借金関係で裁判所から届く書類は基本的に2つ

返済が滞った場合に裁判所から届く可能性のある書類は2種類。

 

  1. 支払督促
  2. 訴状

 

端的に言うとどちらも「お金を払ってください」という内容の書類ですが、裁判所を通じての手続であり、それぞれ返答期限や返答方法が決まっています。

 

1.支払督促〜届いたらすぐに「異議申立」をしよう。チャンスは2回!

(1)支払督促

 

債権者(お金を貸した業者)の申立によって、支払督促の通知が債務者(お金を借りた人)へ届けられます。
受け取った債務者が2週間以内に「異議の申立」を行わないと、その支払督促は「確定」してしまいます。

 

(2)仮執行宣言付き支払督促

「異議申立」をせずにその支払督促が確定すると、こんどは「仮執行宣言付き支払督促」という通知が再度裁判所から届きます。
最初に届いた支払督促と違うのは「仮執行宣言付き」である、というところ。「仮執行宣言付き支払督促」とは簡単に言うと「財産の差し押さえを可能にする手続」です。
こちらも、届いてから2週間以内に「異議の申立」を行う必要があります。「異議の申立」をせずに放っておくとこちらも「確定」し、これを根拠に債権者は債務者の財産を差し押さえることができるようになってしまいます。

 

(3)「異議申立」をするとどうなるか

いずれの場合でも、期間内に「異議の申立」を行うと、通常訴訟へ手続が移行します。

 

2.訴状〜「答弁書」を出さないと即判決!

上記「支払督促」に異議申立を行った場合はもちろん、支払督促の手続を経ずに突然「訴状」が届くこともあります。

 

訴状を受け取った人は

 

  • 指定された日時に裁判所へ出頭する
  • 「答弁書」を裁判所に提出する

 

どちらかの対応をしなくてはいけません。無視した場合、訴状に書かれた相手の言い分どおりの「判決」が出てしまいます。判決が確定すると、「仮執行宣言付き支払督促」と同様、債権者(お金を貸した業者)は債務者(お金を借りた人)の財産を差し押さえることができるようになってしまいます。

 

「債務名義」をとられないように

・仮執行宣言付き支払督促
・判決

 

これらはどちらも「債務名義」と呼ばれます。

 

聞き慣れない言葉ですが、「財産の差押をすることができる書類」という意味です。支払督促や訴状を放っておいた結果この「債務名義」を業者が取得してしまうことで、自分の財産が差し押さえられてしまう可能性が出てくるのです。
それを防ぐために、できる限り「債務名義」を相手に取得させないよう行動する必要があります。

 

「債務名義」をとられたら

相手が「債務名義」を取得してしまった場合、相手が「差押」の手続に入ることがあります。

 

・預貯金
・生命保険
・不動産
・給与

 

などを差押の対象にすることが多いようです。

 

生命保険などは差し押さえられると解約扱いになってしまいますし、給与の差押の場合は、当然ですが就業先に借金の存在がばれてしまうことになります。

 

「差押」のデメリットはあまりにも大きいもの。手続がそこにまで至らないようにしたいですね。

 

なお、借入をするときに自分の持っている不動産などを担保に入れている場合は、「債務名義」がなくても即差押が可能です。こちらも注意しておきましょう。

 

裁判所からの通知は「特別送達」で届く

1.特別送達とは

 

郵便には「普通郵便」「特定記録郵便」「簡易書留郵便」などの種類がありますが、裁判所からの通知は「特別送達」という特別な種類の郵便という形で届きます。
書留などと同様郵便局員から手渡しで受け取る形の郵便で、「確かに裁判書類を受け取った」という証になります。

 

2.「特別送達」は必ず受け取ること

特別送達=裁判所からのもの、ということがわかると、「受け取らない」という選択をする人も中にはいますが、これはおすすめできません。
「支払督促や訴状を必ず届けること」が手続を進めるにあたっての条件なので、自宅宛に送って届かない場合、相手は

 

・就業先送達
・付郵便送達(書留郵便で届く。受け取らなくても届いたという扱いになる)
・公示送達(裁判所に掲示され、官報にも載せられる)

 

など、さまざまな方法で「送達」を試みるのです。これ以上のトラブルを防ぎたいのであれば、おとなしく自宅に送達されてきた書類を受け取る、というのがベストです。

 

「見覚えのない相手」の時

「書類を受け取って中を確認したものの、相手の会社に見覚えがない。きっと何かの勘違いだろう」と放っておく人がいますが、ちょっと待ってください。

 

借金を長い期間放っておくと、

 

・保証会社が契約者の代わりに業者にお金を支払って、その分を契約者に請求している
・借金を他の会社がまるごと譲り受けた

 

などということが起きている可能性もあります。

 

契約に保証会社がついていることを知らない人も多くいます。見覚えがない=自分には関係ない、ということにはなりませんので、注意してくださいね。

 

裁判所が絡む手続の場合、専門家への依頼が必要

裁判関係の手続は非常に複雑であり、特別な知識を必要とします。

 

・支払督促の「異議申立」
・訴訟における「答弁書」

 

程度であれば本人が作成・提出することも不可能ではありません。しかし、それ以降の裁判所や相手とのやりとりは、法律や裁判手続に詳しくない一般の人が行うには限界があります。

 

裁判所から書類が届いたということは、自分自身で解決できる範疇を超えてしまった、ということ。

 

裁判手続には期限がありますので、「裁判所から書類が届いたらとにかく急いで専門家へ相談すべし」と覚えておきましょう。